11月の試聴会の様子と次回予定

11月10日に定例試聴会を開催しました。今回は予告のとおりミンダの新しい300Bのトランス結合アンプASC-300BTCをまずセンター試聴コーナーで聴いて頂きました。本機の特徴は何といっても名球300Bをトランス結合の回路構成としている点です。その効用は真空管アンプらしい音色です。ソースにはお客様がご持参のモーツアルト弦楽四重奏曲、千住真理子のバイオリン、ジャズではバルネウィランのサックス、マツオアキラトリオ等を聴いていただきました。音色は真空管アンプらしさ全開!帯域はやや狭いですが中音域の厚さ、暖かさと繊細さが、肉声や弦楽器、ピアノなどの音をリアル、かつ豊に聴かせます。スピーカーには常設のアルテック銀箱、JBL4408A、東独RFTの2Way、タンノイイートンを切替えて試聴。真空管アンプらしさが活きて相性が良いのはモニター調のJBLやアルテックよりタンノイやRFTの相性が良いと参加者のご意見が一致しました。モニター系のスピーカーはハッキリ明瞭に聴こえますがしっくりきません。間違いなく音楽的には後者と相性が良いです。ジャズ系の迫力を求める方には本機は最適とは言えないかもしれません。小出力の真空管アンプにはJBLなどの米国系のバリバリのスピーカーより欧州系の方が一般には合うようです。特にRFTが良い相性とのお客様のコメントを頂きました。

本機の300Bは標準はPSVANEを奢っていて十分良いのですが、予告していたのでお客様が持参された高価な元祖ウェスタンエレクトリックの300Bに交換して再生してみました。最初の5秒で皆さんビックリの変化。全体が端正に響き、姿勢を正して聴かねばという音になります。さらに後刻、300Bは付属品に戻し、前段の12AX7を付属品からGE製に交換してみました。これも澄み切った清廉な音に変化しましたことを申し添えます。本機は真空管ならではの音色や性能をフルに味わうのに良く、真空管を交換しての変化も楽しめる一台と言えるでしょう。

まだ一台しかありませんが、販売しますのでご興味ある方はお問合せください。

メイン試聴室に移り、何枚かは同じソースで比較試聴しました。音色的にはセンター試聴コーナーでも十分楽しめますが、こちらですと奥行き感やホールトーンが加わるのでまた一興です。同じソースではその違いが良くご理解いただけます。ただ大きい音というのではなく、奥行き感、横への広がりを加えた立体空間の再現がオーディオの醍醐味の重要な要素でしょう。今回、システム上の唯一の変更点はデジタルケ―ブルを従来品のART-CABLE TypeDから新作のTypeD2(写真付、近日発売)に変更しました。従来の銅単線を銅単線4芯化し、音の広がりと改造力、楽器の定位が向上しています。以前来ていただいたお客様からも広がりが違うとコメント頂きました。全体にスケール感が増しオーケストラ等の幅広い音源には顕著な効果があります。ただしジャズの様な凝縮した音を好まれる方には微妙かもしれません。とにかくデジタルケーブルだけでこれほど違いが出るという事はオーディオの楽しみ(苦楽?)の一面でしょう(他人事ではありませんが)。メインシステムは極力音楽ジャンルを選ばない様に素直で自然な再生を標ぼうしているので、プリンスのギター、リッチ―バイラークのピアノ、スティングのライブ、キースジャレットのケルンコンサート、ビルエバンスのソロピアノ、ブラジル音楽など多様な音楽を時間一杯まで皆様に楽しんで戴きました。

注)デジタルケーブルはCDP(ASC-1420CD)とDAC(DAC-X9)間に使用しています。

次回は本年最後で12月8日(土)13:00~15:30です。

予定はメイン試聴室のウーファーを変更して聴いて頂く予定です。従来はPA用のJBL4560の箱にアルテック38cmのD130改造品(軽量コーン、写真左)でホーンとのマッチングも良く自然でスピード感ある再生音でしたが、やや低域の迫力が不足と感じていました。これをアルテックの38cmで歴代最強力と言われる515B(写真右)に交換します。JBLの箱にアルテックのウーファー、ルーツは同じですがどうなるでしょうか?

既に調整を始めていますが、さすが素性は良いようで、ASC-845Jとのマッチングも整ってきました。また皆様と聴き比べを楽しみにしております。