昨12/8に定例試聴会を開催いたしました。クリスマスセール中でもあり、センター試聴室のアンプ横に花かご、エントランス脇にOPENのイルミネーションでちょっとしゃれてみました。センターで前回もご紹介したミンダのトランス結合のASC-300BTCで前の中央の12AX-7をGE製に差替えたもので聴いていただきました。写真中央がそのアンプです。前回は後日談でブログに掲載しましたが、実際に試聴会では最初でしたので、その効果で澄んで明瞭になった音色を楽しんでいただきました。ソースにはジャシンタのオータムリーブスとスティングのライブを少々。前者は音作りが巧妙で女性ボーカルの魅力を良い音で聴かせるCDです。聴き込むと凝った録音やミキシングが駆使されたやや人工的な脚色が感じられますが、どのシステムやスピーカーで再生してもそれなりに美しい良い音に聴こえるので、試聴会向きとも言えるでしょう。初段の真空管1本でこれだけ音が変わりますから、比較的高額の出力管より、ミニチュア管を差し替えて楽しむのも、真空管での音の変わり方を楽しむのに効果があります。
さて今回は予告していましたメインシステムのウーファーをJBL D130改からアルテック515Bに変更した効果はいかに。お客様もそちらが主目的とのことで早々に奥のメイン試聴室に移りました。こちらでも前述のスティングのイタリアライブからKing of Pain, Fragileを聴き、その後にお客様持参のゲイリーカーのコントラバスとパイプオルガンのヂュオで重低音大会のCDを聴きました。これにはさすがアルテック38cmで最強力の515Bでも地を這うような重点音は望めません。しかしお客様からはよく再生されていると驚かれました。スペック的には出ていなくても倍音成分が忠実であれば聴感上は不満のないということでしょう。実際に地響き並にするにはサブウーファーが必要ですが、マイク録音では20Hz以下は最初から無理なので人工的にならざるを得ません。映画の効果音なら別ですが。
続いてオルガンではバッハのトッカータとフーガ、クリスボッティのアベマリア、バッハのバイオリン協奏曲、カラヤンでマーラーのアダージョ、ボーカルではアニタオディ等を聴きました。515Bでは低音が強力でクリアで中高域も明解でホーンとの相性も良く一体感がありスピーカーの存在が感じられず、音像の広がり、奥行き、深みも増して全体に品格が出てきました。ジャンルを選ばず楽しめる範囲が拡大しました。ホーンドライバはA7初期の806Aで515BはA5用ですから強いていえばA6相当?でも箱はJBL4560ですからA6Jとでも言うべき構成です。クロスは750Hz位。実は注意深い読者ならお気づきと思いますがASC-845Jの845は2種類で、標準のミンダオリジナルJINVINA管と高価なPSVANE-TⅡを使い分けています。従来はウーファーに元気の良い前者、ホーンにマイルドで高品位な後者としていましたが、実験の結果、今回は逆の方が良い結果でした。多分515Bの性能が上がり真空管の差がより全面に出てきた結果と考えられます。すると欲がでてきてお客様から後面開放の方が良くなるのでは?というコメントが。確かにアルテックの同じ構成のA5、A7も後面開放ですから。ここで延長30分のATも終了しお開きに。お客様からも過去最高とお褒めの言葉を頂きました。本年も毎回ご試聴にいただきました皆様、本当にありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。
次回予定と後日談。次回は1月12日(土)13:00~15:30です。
昨夕、早速ウーファー後面の板を外し後面開放としてみました。たしかに音も開放的になりましたが肝心の低音の押し出しが弱まり、定位もぼやける結果に。ではと思い開口部にを手持ちのコーヒー豆の袋をでカバーしたら、これが大正解。開放的な音で低域の音圧も出て両立!お客様に教えてもらいましたがドイツの名門クラングフィルムのオイロダインのウーファーも背面に毛布の様なカバーが付いているそうです。次回試聴会までにさらに調整しておきます。
真空管アンプに良く似合うアラジンのブルーフレームも運用開始。
暖かい試聴室で、暖かいコーヒーを飲みながら、暖かい真空管の音楽を是非どうぞ。