4月の試聴会の様子と次回予定

4月13日に試聴会を開催しました。まずセンター試聴コーナーでは予告どおりヤーランドの TJ845/211-S2i(Limited)で845と211のコンパチ機ですが今回は211を装着して聴いていただきました。

スピーカーには1950年代の東独製ユニットを国産ボックスに入れ現代に蘇らせた(やや大げさ)Telefunken/Imperialフルレンジ26×18cmd楕円ユニット、SABAグリーンコーンフルレンジ24×18cm楕円ユニットで聴きました。(店頭販売中)

本アンプは211の濃密かつ繊細な音色が特徴なほか、左右独立電源や前パネルは天然木、上側面はピアノブラック仕上げがヨーロッパのスピーカーに音も佇まいも良く合います。ソースにはダイアナクラールのピアノ・ボーカルのアルバムからジェントルレインなど数曲、竹内まりあのQuiet Lifeからも聴きました。前者ではリリカルなピアノとボーカルが心地良く響き、甘さと凛々しさが良く表現されます。ダイアナクラールが演奏を引っ張っていく姿が目に浮かびます。後者も日本を代表する伸びやかで若々しい歌声が堪能できました。スピーカーではテレフンケンの方がやや明確な傾向、SABAは繊細で中域の音色が良く音楽の空気感が表現されます。音楽をしっとりと楽しむのに良いスピーカーと言えると思います。

お客様のご要望でヤーランドのTJ84-Pでも聴きました。やや前者より帯域は狭くなる傾向ですがプッシュプルアンプの特徴である中域が締まった音色で、このサイズのスピーカーを鳴らすにはジャストサイズでこの音が好きだとのコメントも複数頂きました。

さらにお客様がご持参のフィリップス製(Made in ベルギー)の30cmフルレンジスピーカーでも聴きました。写真の白木の箱に黒いバッフルのものです。30cmでは余裕ある鳴りっぷりでこちらもフラットで聴きやすい良いスピーカーで自作されたという箱もプロレベルの仕上がりで皆さん感心されていました。それでは30cmフルレンジ対決と当社常設のアルテック30cmをダイヤトーンの箱に入れたものと比較試聴しました。アルテックは華やかな傾向でバスレフで低域も出てきますが置き方の違いでも変わりますので両者引き分けとしておきます(笑)。

続いてメイン試聴室に移り、予告どおり新規導入しましたメインアンプ用の大型電源装置を介したシステムで聴いて頂きました。写真の左下の装置です。これを介して常設の左上のASC-845Jに電源供給しウーファー(ALTEC515)を駆動、さらに右下のオリジナル小型電源を介して右上の6550オリジナルアンプでホーンドライバ(JBL375)を駆動しています。その効果は、筆者も最初はびっくりで地面が数メーター下がり試聴室が数倍の広さになったような印象、また高域もツイータ―の必要を感じない艶と伸びが加わり、ダイナミックレンジ(音の強弱)が深く音楽の陰影や奥深さ、ホールの大きさが感じられるようになりました。

ソースにはヨーヨーマのチェロ、デビッドサンボーンのサックス(ベースはマーカスミラー)、ウィーンフィルの美しき青きドナウ(合唱版)、TAKAKO YAMADAの水戸コルテスでのピアノライブ、チックコリアのピアノソロ、そして定番のクリスボッティのトランペットのライブを聴きました。いずれも以前より音の陰影、奥行き、広がり、艶が格段に良くなり、唸るようなベース、心に響くトランペットの響き、楽器の定位、分離も向上しました。電源でここまで変わるのかと驚きの感想を頂きました。電源がオーディオシステムの根本を支えている訳ですが、その効果覿面。これまでもCDP、DAC、プリアンプ側にもART-POWERを導入し効果を感じて頂いていましたが、パワーアンプでは音の出方が向上。パワーアンプのハイパワー化等よりも電源強化が一番近道かも知れないと感じていただけていたら嬉しいです。特殊医療装置用のユニットを使用しているため入手困難ですが、目途がたちましたら商品化するべく努力中です。

なお次回の試聴会は5/11(土)13:00~15:30を予定しています。またのお越しを楽しみにお待ちしております。