5/11に5月度の試聴会を開催しました。センター試聴室では写真の1950年代のテレフンケン、SABA、RFT等の20cmクラスの丸型、楕円型のドイツ製ユニットを使用し密閉箱、後面開放箱などのバリエーションで聴き比べ可能としています。これらのユニットは当時も密閉型と後面開放型がありましたが、アルニコ等の強力な磁石と軽量コーンの組合せで当時も真空管アンプで鳴らしていただけあって真空管アンプとの相性は抜群です。自然でリラックスした音色で長時間聴いても疲れず、楽しい音楽となります。アンプにはヤーランドのTJ211/845-S2(211付)を中心に、下記のジャズギター、ピアノ・ベース・ギターのトリオ、女性ボーカル集、ジェームス・テイラーなどを聴きました。上記スピーカーですとボーカルや小編成のクラシックの再生が特に自然です。オーケストラは生楽器ですので迫力こそ出ませんが楽器の音色や全体の雰囲気は十分に楽しめます。ただしバスドラムやロックなどを楽しむのはやや無理がありますね。1950年当時はエレキギターで歪ませてバリバリ弾くような音楽は稀(or無し?)でしたから無理もありませんが。その分、家庭で小音量から中音量程度で聴くには音痩せせずに豊かな音楽が楽しめます。スピーカーの密閉型と開放型は部屋の環境やユニットにもよりますが密閉型はやや教科書的で開放型の方が面白い音の傾向のようです。
アルテック銀箱と最下段のアルテック30cmフルレンジ(箱はダイヤトーン)の米国勢は明瞭で元気が良く大音量でも音が崩れないのとは好対照ではあります。なお上記旧ドイツ製ユニットのスピーカーは数量が限られるため現在は店頭販売のみとしています。
メイン試聴室では常設のシステムで聴いていただきました。ソースにはチャイコフスキー、ラフマニノフのピアノコンチェルト、チックコリアのソロピアノ、ロックではELPのベストアルバムなどを聴いていただきました。こちらはフルオーケストラやジャズ、ロック、ボーカルなどどんなジャンルでも実際の音量にも近く、リアルな音楽が楽しめます。ピアノコンチェルトはオーケストラとピアノの絶妙なバランスが魅力ですし、チックコリアのピアノはややきつい音になりがちですが、力強さと優さが両立した素晴らしい演奏が再現されます。ELPのベスト盤はK2処理によりオリジナルCDより鮮明に再生され鬼気迫る演奏が楽しめます。比較的大きな音を出していても普通に会話ができると参加者の方からコメントがありました。大音量でも音のバランスが崩れず自然だからだと思います。一般には1システムで様々なジャンルの音楽を満足できるようにするのは難しいとされていますが、電源装置から始まり音の入口から出口まで癖のない装置構成を考慮しています。一度是非聴きにいらしてみてください。
次回6月は都合により第3土曜日の6/15の13時からの予定です。ミンダの高級CDプレイヤーMC-500CDで聴いて頂く予定です。元祖フィリップスのピックアップ回路やアップサンプリング機能によるリアルで鮮烈な音です。ご期待ください。