10/12(土)に10月度の試聴会を開催しました。今回はメイン試聴室で新オリジナルプリアンプの試作機(仮称ART-PRE WAVE)を中心に試聴していただきました。本プリアンプは6J5ドライブ27, WEグリッドチョーク、WEプレートチョーク、高圧用半波整流管3B24を2本使用しバランス入力2系統など本格派で、切れ味良く芳醇な音色と響きが特徴です。トリタン球特有にまばゆいフィラメントの如く、音色も華やかに整い、音も前に出てきて立体感も良くでます。ソースにはお客様ご持参のハイディング指揮の火の鳥では重厚かつインパクトのある演奏、フルトベングラー指揮の第九、運命では古い録音(後者はモノラル)ながら重厚で鬼気迫る情熱的な演奏が堪能できました。ポップスでは米倉利紀、MAYAのボーカルが眼前に展開され、アコースティックギターの定番のクラプトンのアンプラグドではギターの弦を弾く感覚が生々しく聴けました。ピアノではキースジャレットのケルンコンサートの冒頭5分位を聴きましたが、定評ある名録音とはいえ美しく崇高なまでに研ぎ澄まされた響き、一転して山下達郎のポケットミュージックでは種々の音が見事に調和した音楽と録音の冴えを十分に楽しめました。リピーターの方からも以前より音の反応が速くライブ感があると大変好評でした。CDやデジタル音源全盛の現在はプリアンプ無しでもそれなりに良い音はでますが、良いプリアンプを介しますと音の纏まり、揃い方、勢いと言った部分がより音楽的な響きになります。以前にも書きましたが極端な言い方をすればプリの無い場合はオーケストラなら指揮者のいない全体自主練習、プリを介す場合は指揮者がいる本番演奏といった感じでしょうか。ただ本機は発熱大のため冷却ファンを内臓しており風速は2段階に切替可能ですが近くですとシャーという音がします。気になるようでしたら前面を板などで簡単に遮へいすればかなり改善されます。本機は試作機ですが好評でしたので商品化を予定しています。ご期待ください。(下に続く)
後半は予定していましたSACDとCDの聴き比べもしながら進めました。SACDは音が良いというのでお客様も持参されることがあります。今回はSACD/CDのハイブリッド版で同じ録音を両者で聴き比べましたが、プレイヤーはメイン試聴室ではオンキョーC-S5VL、センター試聴機オーナーではパイオニアDV-S74Aという普及機を使用しました。センター試聴室ではプリアンプにはミンダのMC-7R(ただし整流管はエレクトロハーモニックス5U4Gに交換)、パワーアンプにはミンダASC-1215KT(KT120)を使用。ソースにはカルロス=クライバー指揮ブラームス4番のライブ録音盤、浪速ジャズと言われるAYADO CHIEなどを聴きました。SACDでは全体的に滑らかになり、低域から高域まで帯域が伸びて聴きやすい印象になりますがやや作為的にも感じます。一方のCDでは力強さや音楽の一体感、塊感や自然なニュアンスは感じられます。SACDでもCDでも録音現場やミキシングなどの後処理に人為的な操作が入りますし、今回使用した機器も限られた条件になりますがSACDの方がオーディオ的に良く聴こえるように工夫されていますが、CD音源でも再生機器を吟味すれば十分楽しめるという都合の良い(笑)結論にここではしておきます。最後にはカルロス=サンタナの「サルバトールにブルースを」のワウワウペダルを駆使したカデンツア的な入魂の演奏を聴いてサラバとなりました(笑)。次回試聴会は今週末11/9(土)13:00-ですので皆様のお越しをお待ちしております。