12月の試聴会の様子と次回予定

2019年最後の試聴会を12/14に開催しました。今回はリピーターの方や遠くからご参加の方からもメールを含め貴重なご感想も頂きましたので随所に引用させて頂いています。まずセンター試聴コーナーで人気上昇中のYARLANDの大型アンプのAUKLET-150J-3(写真左側)とTJ845/211-S2(写真右側)の2機種を聴きました。前者はKT系など数10種種類の出力管と差替えて聴ける究極ののコンパチアンプで今回はKT150で、後者のTJ845/211-S2も大型送信管845と211にコンパチ機で今回は211で聴きました。

ソースはブラームスの1番第1楽章、ドヴォルザークの8番第3楽章、ヘンデルの王宮の花火の音楽の第4曲「歓喜」、お客様持参のスティングの「The journey and the labyrinth」からボーカルとリュートのデュオ、ゴンサロルバルカバの「suite 4y20」からピアノ曲を数曲聴きました。

前者アンプですがKT系は力強さなどに定評がありますがプッシュプルでは中高域に艶と伸びやかさが加わり左右独立電源や手巻きトランスで絶妙なバランスと素晴らしい音質でクラシックを含めオールマイティな再生能力となります。 スピーカー(以下SP)は常設のアルテック銀箱、タンノイのイートン、JBLモニター、そして60年代の旧東独製を切替えて聴きましたがそれらのポテンシャルを遺憾なく発揮し鳴らしきる実力があります。アルテック銀箱は高能率で良く鳴るのは当然ですが、東独SAVAフルレンジやテレフンケン2WAYからも今まで聴いたことのない雄大なシンフォニーが聴こえてきます。参加の方からは「音、作りとも立派でこれまでの真空管アンプの自分の常識を超えていてる」とコメントを頂きました。また最新の高出力真空管アンプで古いSPの組合せとなりましたが「ビンテージSPはアンプ回路と同様、オリジナルへのリスペクトと共にその時代の音があり、その音を知っている人には何にも替え難い音、さらに今時の低インピーダンスSPでも聴いてみたい」との貴重なコメントも頂きました。まだ慣らし運転中で実力発揮もこれからで日に日に良くなっていますのでドライブ能力を活かす意味でまたの機会に試してみたいと思います

次に後者のTJ845/211-S2を大型送信管211で聴いていただきました。845とコンパチ機で差替え時は上面のスイッチを切替えて行います。シングルアンプですが出力も十分あり、ビンテージSPとの相性も良く、参加の方からも「およ!?っと思う魅力がある」と好評でした。211/845とも本来は送信管で1000V1/845とも1000V近いプレート電圧を加えないの実力が発揮されない傾向ですが本機はしっかり加えているようで、安価な500V程度のただ鳴っているものよりはるかに魅力的な音色と深みが感じられます。「ちゃんと送信管の特性を活かした使い方をしているのでしょう」というマニアックなコメントも頂きました。またビンテージSPについては「楕円SP,当時の家具調のシステムや大型ラジオに多かった記憶ですが、今回拝聴した後方開放の東独楕円SP(テレフンケン、SAVA)は聴きやすく長しっぱなしの音楽にちょっと欲しくなる音でした。上から下まで出しきるSPも必要ですが普段のBGMにはこんなSPがピッタリで昔の音とは程遠い音にビックリしました」とわが意を得たりのコメントも頂きました。なおこれらのSPは店頭では販売もしておりますなお今回の両アンプともモデルチェンジ間近の在庫限定品ですのでご興味ある方はお早目に。プリアンプには写真の奥側のオリジナルプリアンプを使用しました。417真空管を採用した新開発の試作機で左右独立ボリュームと大型電圧計、ブルー側板を配したコンパクトな構成、ダイレクト感のある切れの良い音で、ART-PRE WAVEシリーズとして発売予定です。ご期待ください。(下の続く) 

続いて奥のメイン試聴室で聴きました。今回の変更点はDACに常設のコンサートマスターDAC-9に替えてAPOGEE DA1000E-20という当時のプロスタジオで使用されていたもので聴いて頂きました。

その他のシステムは変更なしてす(MingDa 500CD, オリジナルART-PRE Wave試作機、ASC-845J+オリジナルアンプ、アルテック513C、JBL375他)。ソースには前出のものに加えてヨーヨーマのチェロ曲、ベルリンフィルでプロコフィエフの「ピーターと狼」、12月にちなんでフルトベングラーでベートーベンの第9「合唱」、男性ボーカルではスティングを数曲聴きました。APOGEEのDACでは解像度が上がり中域が際立って鮮明に聴こえます。ただし立体感という点では参加の方からも音が中央に寄って違和感があるというコメントも頂きました。実は本DACはスタジオで採用されていたらしくモノラル盤をステレオ装置で再生すると良くなる効果、すなわちある帯域(1000Hz以上?)はモノラル合成機能があるらしく、現に上述のモノラル盤の「合唱」ではフルトベングラーの情熱的な演奏が大いに聴き取れました。反面ステレオ録音盤ではやや違和感が生じるようでした。そこで常設のDAC9に戻しますとステレオ盤も自然に感じられました。DAC変更では音源が変わりますから自然な再生音を得るためにはその都度、クロスやゲインを微調整して合わせ込むのに時間が必要になります。今回のDACは常設からの変更でやや実験的な試みとなりましたが、モノラルの貴重な音源をステレオ装置で再生するのに拘りのある方には参考になっていれば幸いです。全体的には今回初めて参加された方からも「ホーンのマルチアンプ方式の良さが判り、独自のウーファー、ホーン、アンプの組合せで自然な音に合わせ込まれていると感心しました」というお褒めの言葉も頂きました。

次回は2020年1月11日(土)13:00-15:30(今年も参加費500円、コーヒー付)で開催します。

メインシステムでは40kHzまで出るリボンツィータ―を追加し定位向上を図っております。

また本年も皆様のご参加と音楽談義、オーディオ談義を楽しみにしております。